これからの季節、インフルエンザの予防接種を考える方も多いと思います。実はペットにも予防接種があり、その考え方はヒトとよく似ています。
■ ワクチンのしくみは同じ
ワクチンは、病気の原因となるウイルスや細菌の情報を前もって体に覚えさせ、本物が入ってきたときにすばやく戦えるようにするものです。「かかりにくくする」だけでなく、「かかっても重症化しにくくする」ことが大きな目的です。これはヒトも動物も変わりません。
■ 赤ちゃんと子犬・子猫の共通点
生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんからもらった免疫(移行抗体)に守られています。この免疫は成長とともに少しずつ減っていくため、小さいうちに何回かに分けて予防接種を行います。
子犬・子猫もまったく同じです。母親からの免疫が切れる時期に合わせて、混合ワクチンを数回接種します。
■ ペットの主な予防接種
犬:狂犬病ワクチン(法律で年1回の接種が義務)、混合ワクチン(ジステンパー、パルボウイルス感染症など)
猫:混合ワクチン(猫ウイルス性鼻気管炎、カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症など)
ウサギや小鳥:日本では一般的に使われているワクチンはありません。そのため、日頃の健康管理や、体調の変化に早く気づくことがより大切になります。
■ 狂犬病 ― 予防接種が守っているズーノーシス
以前ご紹介したズーノーシス(人と動物の共通感染症)の代表が狂犬病です。日本では長い間、国内での発生がありませんが、世界では今も毎年多くの方が亡くなっています。発症するとほぼ助からない病気だからこそ、犬への予防接種が、ヒトを守ることにもつながっています。
■ ヒトのインフルエンザ予防接種
・効果が出るまでに約2週間かかり、効果は約5か月続くとされています
・流行前の12月中旬ごろまでの接種がおすすめです
・13歳未満のお子さんは、2回接種が基本です
・毎年流行する型が変わるため、毎年の接種が必要です
なお、ヒトの季節性インフルエンザが犬や猫に広がることは、ほとんどありません。一方で冬は鳥インフルエンザが話題になる季節でもあります。弱っている野鳥や死んだ野鳥を見つけても、素手では触らないようにしましょう。
■ 接種の日に気をつけたいこと
ヒトも動物も、体調の良い日に接種することが大切です。接種後は、注射した部分の腫れや軽い発熱がみられることがあります。まれに強いアレルギー反応が起こることもあるため、接種当日は激しい運動を避けて、ゆっくり過ごしましょう。
ご家族みんなで、ペットも一緒に、元気に冬を乗り切りましょう。予防接種の時期や回数については、お気軽にご相談ください。
文責:獣医師 髙木彩花
2026年10月8日













