滋賀県東近江市にある松尾医院のブログ

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人と動物に関わりの深いズーノーシス

私たちの暮らしの中で、動物は大切な家族であり、心を癒やしてくれる存在です。しかしその一方で、動物から人へ、または人から動物へ感染する病気――「ズーノーシス(人獣共通感染症)」という問題も、私たちが知っておくべき大切なテーマです。

ズーノーシスにはさまざまな種類があり、身近なペットや野生動物から感染することもあります。たとえば、犬や猫の口の中にいるパスツレラ菌は、咬まれた傷口から感染して腫れや痛み、発熱を起こすことがあります。
また、同じく犬や猫の唾液に含まれるカプノサイトファーガ菌は、まれに敗血症や意識障害を引き起こすこともあり、免疫の弱い方では重症化することがあります。
鳥類から感染するオウム病は、感染した鳥の糞や分泌物を吸い込むことで感染し、高熱や咳、肺炎様症状を起こします。妊婦が感染すると流産や早産のリスクが高まるため、鳥の飼育やケージ掃除はできるだけ他の家族に任せ、どうしても行う場合はマスクと手袋を使用し、十分な換気と手洗いを行いましょう。
さらに、マダニを介して感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、発熱、嘔吐、出血傾向などを示し、重篤化することがあるため注意が必要です。

これらの多くは、日常の中で少し意識をするだけで予防が可能です。動物に咬まれたり引っかかれたりした際はすぐに流水でよく洗い、必要に応じて医療機関を受診しましょう。ペットの定期的な健康診断やワクチン、ノミ・マダニ予防も、家族全員の健康を守る大切な一歩です。特に高齢者や小さな子ども、免疫の弱い方、妊婦の方は注意が必要です。

感染症を恐れる必要はありません。大切なのは、「正しく知り、正しくつきあう」ことです。ペットを清潔に保ち、トイレや食器の管理を適切に行い、手洗いを習慣にすることで、ほとんどの感染症は防ぐことができます。

動物と人との関わりは、お互いの心と体の健康を支え合う関係です。ズーノーシスを理解し、予防を実践することは、人と動物が安心して共に生きる社会を築く第一歩となります。

文責:獣医師 髙木彩花

2025年10月30日

住環境と健康

<住環境と健康>
住環境と人の健康には大きな繋がりがあります。特に高齢者にとっては、住環境が整っていないとケガや病気のリスクが上がることが考えられます。今回は、住環境がどのように人々の健康に繋がりがあるのか具体的な例を挙げてご紹介します。
① 転倒リスク
室内には高齢者が転倒しケガをする危険が潜んでいます。高齢者の転倒が多い場所は、ベッドサイド、浴室、トイレ、玄関です。また、足腰が弱い人や身体が不自由になると、ちょっとした敷居の段差でも躓きや転倒するリスクが高まります。
【対策】
1. 各部屋の敷居を低くしたり、スロープを取り付けて段差を解消する。
2. 手摺を設置して、転倒防止をする。
3. 滑りにくい床材へ変更する。
② 温熱、空気環境
室内温度、湿度はもちろん、化学物質やハウスダストによる空気環境等は全世代の健康に大きく関わります。
【対策】
1. 快適な温熱環境を意識しましょう。
室内温度:冬場で20~23℃、夏場で26~28℃
湿度:40~60%
特に、冬場の浴室やトイレ等、室内間の温度差によって起こるヒートショックや夏場の熱中症被害には注意が必要です。
2.室内の空気汚染は、呼吸器系の病気の原因となることがあります。具体的な空気
汚染の原因となるのは、ホコリ、カビ、ペットの抜け毛、化学物質(マニキュ
ア、消臭剤、接着剤等)、タバコが挙げられます。室内のアレルゲンを掃除等で取り除くことが重要ポイントとなります。掃除の他には、定期的な換気や空気清浄機の使用により、ほこりや花粉等のアレルゲンを除去することが出来ます。また、湿気の多い場所はカビの発生しやすくなるため、除湿とカビ対策が必要となります。

 

文責:宅地建物取引主任・管理業務主任・マンション管理士・賃貸経営管理士 早崎玲奈

 

2025年10月22日