多くの患者さんを診察していて、特に感じる事は、『生活習慣病のコントロール』と『年一回の健診』の重要性です。
40歳以上の方で命に関わる病気の約70%は、血管系疾患と悪性腫瘍(癌)です。
まず、血管系疾患は、心筋梗塞や脳梗塞に代表されますが、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)が起因して、全身の動脈硬化が年齢以上に進行し、その結果心臓や脳の細い動脈が詰まり易くなり、命に関わることになります。これらの疾患は、一旦血管が詰まり組織が死んでしまうとその部位は回復しないため、命が助かっても運動制限や麻痺を生じるなど不自由な事になります。血管を詰まらせないためにも、日々の血圧やコレステロール値、血糖値のコントロールが非常に大切なのです。
一方、癌はなかなか予防できません。がんを予防できるなど誇張されている健康補助食品などがありますが、明らかな予防効果は期待できません。ただし、早期癌であれば内視鏡的な治療や手術、抗がん剤、放射線治療などにより治る確率が高くなりますので、少しでも体調の異変を自覚されましたら早めの診察を受けることが大変重要です。
「ふらつくとか胸が苦しいなどの症状がないから大丈夫」、「うちは癌家系ではないので心配ない」との意見がありますが、症状が出現してからでは、かなり進行していることが多いです。症状がなくても毎年一回は健診や検査を積極的に受けるようにして下さい。
当クリニックでは、胃カメラ、超音波検査(腹部・頸部動脈・甲状腺・乳腺など)、血管年齢検査、検査センターとの連携で尿・便・血液・痰などから癌の早期発見・動脈硬化の評価・かくれ脳梗塞の診断に取り組んでおります。